太田母斑の治療
太田母斑などの青アザは、色素が真皮という皮膚の非常に深い部分に存在するため、最近まで有効な治療法がありませんでした。しかしQスイッチルビーレーザーという特殊な ルビーレーザーが開発され治療が可能となってきました。ルビーレーザー光線は、正常皮膚や血管にはほとんど吸収されず、メラニン色素等によく吸収される性質があります。 そのため正常組織への損傷を最小限に抑えながら色素を選択的に破壊します。この性質を利用して、太田母斑の原因となっている真皮メラノサイトを破壊し治療します。
Qスイッチルビーレーザーは他のルビーレーザーと異なり、莫大なエネルギーを極短時間に照射するため皮膚の深部への到達性がよく、また非常に短時間で放出されるため、 標的となる色素細胞のみを一瞬で破壊することが可能です。現在太田母斑に対する有効な治療はQスイッチレーザーだけです。
太田母斑(おおたぼはん)は黄色人種に多く、三叉神経第1枝、及び第2枝の支配領域の皮膚に出現します。日本人では約 200人に一人の割合です。原因は不明です。 生後間もなくまたは思春期頃に発症し、女性に多い傾向があります。 大部分は片側性ですが、5-10%は、両側に出現します。 色調は青〜黒〜茶褐色、またはこれらの色の混在して見えるものもありますが、その混在の程度、割合は人によってかなり個人差があります。
Qスイッチルビーレーザーは1回に4X4mm 四方照射します。1回の照射時間は30nsとほんの一瞬です。 レーザー光が皮膚に照射されると輪ゴムではじかれた位の痛みがあります。 痛みの気になる方は、 あらかじめ治療の1−2時間前に塗るだけの麻酔薬を照射部位に塗ります。 麻酔薬を使いますと、痛みはかなり軽減します。
治療前
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1回治療後
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2回治療後
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3回治療後
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4回治療後
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5回治療後
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6回治療後
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太田母斑の治療は3か月毎に6回前後必要です。 料金は保険適用で1回6〜9000円位です。
ルビーレーザー照射部位は軽いやけどに近い症状を示します。照射部位は一時的に白くなりますが15分程で消えます。 また照射部位が治療後腫れることもあります、特に眼の周囲では、数日間腫れが続くことがあります。またレーザーの衝撃波により皮下出血が見られることもありますが、 1−2週間で消えます。 一回目の治療で効果の見られることはほとんどありません。2−4回治療すると効果が目に見えてきます。
太田母斑の治療は、一般的に、2−3ヶ月毎に6回位必要です。 そのため治療期間は1年以上必要です。 レーザー照射後2ー3週間で、体質により照射部位に炎症性色素沈着が起こる場合があります。 炎症性の色素沈着は3ー12ヶ月で自然消失します。 最終的には治療終了後6ー12ヶ月すると皮膚の炎症も治まり、さらに皮膚はきれいになってきます。 Qスイッチルビーレーザー治療の有効率は、太田母斑の最初の色調を100%として、40−70%の改善を有効とした場合、一回の照射で13%、 2回照射で72%、3回照射で97%、4回照射で100%の有効率です。 また5回以上の照射を受けた場合ほとんど全例著効(70%以上の改善)を示します。
しかし以前に皮膚削剥術、またはドライアイス、液体窒素圧抵術を行った症例に関しては、皮膚組織中に瘢痕(傷跡)が残っているため、 レーザー光の乱反射がおき治療効果は低下します。 太田母斑の治療は使用するレーザーの性能と医師の熟練した技術の両方が不可欠です。 そのため残念ながらまだ治療施設によりかなり大きな治療成績の差があります。 西新宿皮フ科クリニックでは太田母斑の治療には絶対的な自信と実績を持っております。 100%の治療効果は当然のこと、いかにきれいになるよう治療できるかということに全力を注いでおります。 太田母斑の治療料金支払い困難な方はどうぞ遠慮なく相談して下さい。 どのような場合でも完璧な治療を行います。